大畑駅の紹介

2019(平成31)年4月30日(火)掲載/2022(平成4)年12月8日(木)修正

概要

 大畑駅はJR九州肥薩線に所属しています。人吉市南の山中にあり、到底鉄道を通そうとは考えられない場所に設置されています。
 これは開業当時(明治42年(1909年)12月26日)は戦時下で、敵国の艦砲射撃が懸念される海沿いより山深い峠越えが安全と考慮された為です。
 当時のSLの性能では急勾配を登るのは無理があった為、高低差を稼げるループ線を採用。人吉より吉松までの区間を無理なく繫げています。
 やはりSLの性能の関係上、旅客の為では無く列車の補給場所の関係で3つの駅が設置されました。その内の一つが大畑駅です。
 通常はループ線の前後どちからにSL補給用の駅を作ります。しかし、大畑ではそういう場所が無かったので、ループ線の途中にスイッチバック形式で駅を作りました。こうして、日本で最初にして唯一の「ループ線の途中にあるスイッチバックの駅」が誕生したのです。

 開業当時は鹿児島本線として九州の南北を結ぶ重要な鉄道幹線として活躍しました。しかし、平坦な海沿いに新しい鹿児島本線が設置され肥薩線と改名します。改名後はローカル線扱いになり、徐々に利用客が減ってゆきました。

 現在は見事なローカル線ですが、珍しい「ループ線の途中にあるスイッチバックの駅」として注目を集めています。


2017年4月24日撮影

 観光列車「いさぶろう・しんぺい号」とSL用の給水塔です。

2017年4月24日撮影

 上の写真の状態から発車後、スイッチバックして吉松へ向かう「いさぶろう・しんぺい号」。吉松方面へはこうやって2度見送れます。

2017年4月24日撮影

 大畑駅の駅名標です。中央に描いてある小さなイラストは、その駅周辺の名物です。大畑は近所に人吉梅園があるので梅の花が描いてあります。

2017年4月24日撮影

 乗り場案内です。

2017年4月24日撮影

 朝顔に似てる事から朝顔鉢と呼ばれている噴水です。今はスイッチで出水をコントロールしています。SLが走っていた頃は常時出水しており、乗客乗務員が煤けた顔を洗っていたそうです。

2017年4月24日撮影

 朝顔鉢の後ろからループ線側を見た風景です。駅自体は小さいのですが重要な場所なのです。

2017年4月24日撮影

 ホームから見た駅舎です。名刺が一杯貼ってあります。なんでも、大畑駅の駅舎に名刺を貼ると出世するそうです。
 おかしいなあ。最初に貼紙をし、その後名刺も貼った私は出世街道から外れたままなのですが。いつから噂になったのかは不明です。

2017年4月24日撮影

 駅舎内も名刺が多いです。と言うか、駅舎内に張り切れない名刺を駅舎の外に貼っている感じです。天井にも貼ってあります。どうやって貼ったのだろう。

2017年4月24日撮影

 駅舎を駅前通りから撮影した一枚です。駅前通りと言っても車一台しか通れないし民家もお店も無いんですけどね。

2017年4月24日撮影

 駅前から見た給水塔です。かなり年期が入っています。

2017年4月24日撮影

 ループ線を登ってゆく所にある追悼記念碑です。山奥の難工事ですので犠牲者も出たのでしょう。

2017年4月24日撮影

 ループを登り降りする列車に乗ると、このようの大畑駅が出迎えてくれます。この駅は車で来るよりも、列車で乗り通す方が楽しいです。

2017年4月24日撮影

 ループ線頂上から見た大畑駅です。ぐるっと回りながらこれだけの高度を登ってしまうのですね。昔は木が茂っていて駅ははっきり見えなかったのですが、いつの頃からか伐採して眺めが良くなっています。

2008年7月21日撮影

 そこで2008年に撮影した「木が茂ってはっきり見えていない」写真の登場です。こちらの風景もいいものですね。

2011年2月27日撮影

 しかし冬になると木は枯れて駅がはっきり見えます。ホーム上には保線区の方々が見えます。

2011年7月8日撮影

 その年(2011年)の夏に撮影。こちらは雰囲気良い感じで駅が見えています。

2018年9月9日撮影

 ノート管理に行った日がちょうど開業2日目だったフレンチレストラン「囲炉裏キュイジーヌLOOP」。場所は給水塔の横、元鉄道官舎です。
 予約制のランチとディナーだったのでこの日は利用出来ませんでした。ディナーとかこんな山奥でチャレンジャーだなぁとか思いました。
 ディナーに関しては開業1ヶ月ちょいで終了。2022年現在、コロナと肥薩線運休中の為休業中です。URLはこちら

2018年12月23日撮影

 2018年12月23日に鹿児島に行くついでに寄ってきました。時間的にランチタイムは無理だったのでティータイムで利用。

2018年12月23日撮影

 こちらが季節で変るデザートとコーヒー。コーヒーのサイズからデザートがかなり大きいのが分かります。店の方からシェアで頼む客が多いと聞きました。

1993年12月12日撮影

 私が撮影した写真で一番古い大畑駅。駅に貼紙をしたのが1992年元旦。こちらは翌1993年12月12日撮影。よくある古びた無人駅です。この頃から大畑駅に惚れ込んでノートを管理しつつ通い続けています。

1993年12月12日撮影

 こちらも1993年12月12日撮影。ホームのかさ上げ工事はされていません。朝顔鉢の上に小さな屋根があったのですが、1993年9月3日に鹿児島に上陸した平成5年台風13号によって吹き飛ばされました。

1993年12月12日撮影

 同じく台風13号にて根本から折れて倒れた周辺観光地案内板。トイレの塀に立てかけているだけの状態です。翌年撤去されたので、今はありません。

2004年1月1日撮影

 2004年元旦の大畑駅待合室。まだまだ名刺が少ない。

2012年1月1日撮影

 こちら側の写真が古いのしか無いですが掲載しておきます。2011年元旦撮影です。自販機も設置され、そろそろ窓枠にも名刺が見えてきています。

2012年1月1日撮影

 上の写真と同じ日の待合室。まだ名刺が少ない。

2019年3月30日撮影

 そして平成最後の訪問になった2019年(平成31年)3月30日撮影の待合室。見慣れた名刺の数にほっとするやら驚くやら。

2019年3月30日撮影

 既に夕方17時を回っていたので暗くなりかけている大畑駅。満開の桜も夕暮れだとあまり映えません。

2019年3月30日撮影

 そしてこの日の最終列車、八代発吉松行き1251D。今では見られない風景です。